PARKI’N サービス提供の経緯について

PARKI'N について

はじめに:最初のきっかけ

有料駐車場の検索サービス PARKI’Nは、駐車場を料金の安い順に検索できたらどんなに便利なことかと思ったことから制作されました。駐車場を探して探してやっとの思いで停められたと思ったら、目的地に歩いて行く途中でもっと安い駐車場を見つけてしまった。そんな経験は車によく乗る方なら何度も経験したことがあるのではないでしょうか?何度も嫌な思いをするうちに、車での移動の頻度が減っていく、そんなのは嫌だという思いが最初の原点でした。一方で、ナビの精度は年を追うごとに上がり、渋滞を踏まえたルートの検索、再設定などは目に見えて便利になっていっています。もっと言うと、自動運転や運転のアシスト機能もどんどん進化しています。それらの状況と比べると、駐車場の検索機能はもっと決定版的なものが存在していないのではないか、と考えたというのが経緯です。

それ、AIでできるんじゃない?

果たして、駐車場情報を効率的、効果的に集めるにはどうしたら良いのか。アイディア自体は5-6年前から持っていましたが、実際に着手したのは1年ほど前からですが、着手までに時間を要したのには大きな壁があったからです。駐車場の位置情報と料金情報をデータベース化するという基礎のアイディアはありましたが、全国に何十万件と存在する駐車場の料金をデータベース化していくのはとても現実的ではありませんでした。

そんな中、ChatGPTが世界を席巻しました。初めてそのチャットのインターフェースに触れたとき、この裏側には人間が居るのでは?と疑ったのが正直な感想でしたが、どうもそうではないということが明らかになるにつれ、これは社会が大きく変わると実感しました。モデルのサイズを指数的に増大させていく(つまりインプット量を飛躍的に増やしていく)と、結果の正確性がある点を境に上がっていくという今のAIモデルの原点ともいえる研究結果とその実際に動くサービスを見せられたことで様々なアイディアについて具体的に検討することになったのです。

更に驚くべきだったのはその後の進化です。テキストデータを食わせていくことでAIが進化することについて理解し、実際の使用をコーディングの分野で活用し始めた頃、新たにマルチモーダルAIと呼ばれるより進化したAIが登場し、ついには画像や動画まで理解するに至りました。最初はOCRに近い用途ぐらいしかありませんでしたが、徐々にその理解力や思考力は進化し、実用性を一気に増しました。

これを使えば、簡単に駐車場の検索サービスを作ることができるかもしれない、その考えが確信に至った結果、PARKI’Nを実際にコーディングし始め現在のサービスの原型をリリースしたのが昨年7月でした。

次世代型駐車場データベースサービス『PARKI‘N SNAP』WEBアプリ公開!
みんなで “写真を集めてデータベースを創ろう

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000166381.html

マルチモーダルAIを活用して料金看板を解析すれば簡単に料金体系をデータベース化できる!と考えてフロー全体を設計しChatGPTのGPT-4o APIを活用して構築しました。このときの設計は
1.駐車場の料金看板画像+GPS情報をアップロードしてもらう
2.料金看板画像をAIで解析にかけて、料金体系を読み取る
3.チェック担当者(人間)がAIの解析結果をチェックし、エラーがあれば手作業で修正して登録する
というもので、実際にチーム内で画像を撮って集めているうちはとても効率的に情報が集められ、位置情報の確認の仕組みも含めて理想的に進められました。

キャンペーンの開始と超キャパオーバー

ポイ活的にキャンペーンを設計し、データ1件当たりのコストを100円以下として予算を組み、広く一般の方からの情報登録を募ることとしたところ、みるみるうちにユーザー登録が増え、最終的に想定の10倍以上のデータが集まることとなりました。そうなったらラッキーだね、嬉しい悲鳴だね、と確かにチーム内で話してはいましたが、設計を大きく上回るデータが集まったことで、数日で当初のフローは実質的に破綻しました。キャンペーン実施時、中々データの登録が完了しなかったことから、多くの参加者の方にご不安を与えてしまったことは改めてここでお詫びしたいと思います。大変申し訳ありませんでした。

この経験から、人海戦術でデータの確認と登録を進めるのと並行して次なるフローの構築を進めました。これは一定以上のデータが集まらないとたどり着けなかった境地でもあり、振り返ってみても現実的には一足飛びにここにたどり着けたかは怪しいというのが実感です。とはいえ、もし同様の案件を次に行うときは相当にうまくやれる自信がついたのも事実です。広くデータを集めるという際の勘所やAIを活用したワーク・フローの勘所はキャンペーン設計という元々持っていたマーケティング的な知見と併せて、修羅場をくぐったプロとしていつでもバリューを提供できる次元でチーム内に蓄積することができました。

キャパオーバーをしないAIワークフローの改善

なぜキャパオーバーを招いてしまったかというと、人力によるボトルネックが存在していたことと、そのボトルネックにヒットしたからに他なりません。言われてみれば当たり前のことですが、ワークフローをAIでいくら効率化しても根本的に人間のチェックが必要な以上、そのAIの作業の精度が重要になり、さらに人力の作業領域をいかに減らすかがとても重要になります。このワークフローの作りこみこそが競争の源泉となるため、詳細な説明は省きますが大まかには以下のようなワークフローの調整と料金計算ロジックの最適化を行ったことにより、ワークフローの生産性は当初ワークフロー比で30倍程度に引き上げることができました。これは理論上、現有キャパシティ(基本2名)のまま、写真+GPS情報がアップロードされさえすれば、2か月程度で日本中のすべての駐車場情報を登録完了させられることを意味します。

1.料金看板情報をAIが読み取り、料金情報をデータ化
2.別のロジックを持ったAIが画像と1の結果を複数のケースをシミュレーションして検証し、正誤を判定
3.全ケースで正となったものは人力チェックを経ずに登録完了、一部ケースで誤となったものは人力チェックを実施

このワークフローで2で誤と判定されるケースは全体の数%となりました。元のワークフローでは正常であっても必ず人間のチェックを必要としていたことからすると、大幅に工数が削減できました。

今後の動きについて

最大の障壁であったワークフローの改善に目途が立ったことから次のキャンペーンに向けた動きを加速しています。また、キャンペーンを持続的に行うためのスポンサー(広告主)獲得も進めています。さらに、データの母数が一定以上集まってきていることから、検索サービス自体も実装に向けた開発を行っているところです。恐らく近日中にテスト版を公開できる見込みです。まだまだ課題も多い当プロジェクトですが、カーナビや自動運転そのものに組み込まれ、目的地を詳細に選択するときの検索パートナーとして日本中、世界中で利用される未来を目指して情報の収集とサービス改善に引き続き取り組んで参ります。

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